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紙の本
平井靖史氏の力のこもった「解説」が示唆的
2002/07/29 20:51
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る
『イデーン』第一巻を献本されたベルクソンがフッサール宛書簡(1913年8月15日付)に「しばし待って、私があなたの業績をいかに高く評価しているか言わせてください。私たちの考え方はたぶん、いくつかの点で違っていますが、それらは容易に一致するようなものでもあるでしょう」と書いている。
そのフッサールと違って、屈折のない流麗な文章と明快だがややトリヴィアルで退屈な議論ゆえに、第一章「心理的諸状態の強度について」、第二章「意識的諸状態の多様性について──持続の観念」と快調に(?)読み進めてきたものの、肝心のベルクソンの自由論が展開された第三章「意識的諸状態の有機的組織化について──自由」でとうとう議論の行方を見失ってしまった。
平井靖史氏の力のこもった「解説」でこの点は充分以上に取り戻せたからよかったものの(とりわけ、平井氏が本書から読み取った「表現としての自由」モデルや「行為としての認識」説の提示はとても示唆的だった)、下手をすると「強度 intensite’」や「持続 dure’e」といったキーワード、そして「持続と延長、継起と同時性、質と量の混同」つまり時間と空間の取り違えといったベルクソン入門書でお馴染みの事柄の原典での確認に終わってしまうところだった。