紙の本
フリーエージェント社会では今の形の「学校」はいらない
2002/05/08 20:30
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投稿者:基山健 - この投稿者のレビュー一覧を見る
組織に属さずに仕事をするフリーエージェントという新しい働き方について大胆に述べている。フリーエージェントすることはけっして「不安定」「孤独」ではない。仕事と家庭を両立させるのではなくブランドする。障害となるのが雇用者を通じた保険制度だ。
デジタルマルクス主義(=コンピュータが安価になり、労働者が生産手段を手にするようになった)、HOHO(=His Office/Her Office。カップルが自宅内にそれぞれ個人用のオフィスを持つ家庭)といった刺激的な言葉も紹介されている。
教育についての記述は印象深い。フリーエージェント社会では「脱学校」化が進み、義務教育という「均質化装置」は不要になり、多様な教育が行われるようになる。「アメリカ社会の中で、フリーエージェント経済の価値観や形態に最も適応できていない機関は…学校なのだ」(p311)。
解説では『仕事のなかの曖昧な不安』(中央公論新社)の著者、玄田有史氏が日本におけるフリーエージェント社会の可能性について述べている。
紙の本
2002/06/02朝刊
2002/06/18 22:15
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
プロ野球のFA選手の話ではない。企業や官庁などの組織に属さず独立して働いている人たちのことである。著者は、米国ホワイトハウスでの一見華やかな仕事から、「二度と勤め人にはならない」と決意して文筆業に転じ、自らフリーエージェントの実態を取材して本書をまとめた。
はっきりした定義は無いが著者の調査によれば、米国では自由業のフリーランス、臨時社員、ミニ起業家を合わせて、フリーエージェントは少なくとも三千三百万人に上る。米国の労働者の実に四人に一人に相当するという。
かつて大企業や官庁などの大組織に帰属することは「幸せ」を意味した。生活の安定や高い社会的地位などが保障されたからだ。しかしその常識は今や錯覚に過ぎないというのが著者の見方だ。
競争の激化により企業は従業員の雇用を保障しなくなった。企業の寿命はどんどん短くなり、たとえ一つの企業に勤め続けたくても現実に難しくなっている。ならばパソコンなどの「生産手段」は今や個人でも持てるので、タテ社会の組織から離れて、生きがいを自分なりに追求したいという機運が急激に高まってきたという。
常識をひっくり返すと、初めて気づくことがいろいろある。毎日長い距離を通勤して、家には寝に帰るだけという生活も、著者によれば「産業革命以降のこと」に過ぎない。ホームオフィスを構えれば、仕事と家庭の境界線は消え、いつでも「ありのままの自分」でいられる。
もっとも劣悪な労働条件の下で働く「テンプ・スレーブ(臨時社員奴隷)」と呼ばれる人たちもいる。だが著者は負の側面も認めたうえで、これからは「フリーエージェント・ネーション(国)」の時代だと肯定的にとらえている。巻末に玄田有史学習院大学教授が「タテ社会からヨコ社会への緩やかな脱却が、日本人にも迫られている」と解説している。
日本では今のところフリーターの問題が大きいが、読み進むうちに基本的には同じ方向にあると思うようになった。組織に頼れない現実や独立志向の高まりなど、日本人のこれからを映し出す鏡を見るような面白さがある。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001
紙の本
目次・立ち読み
2002/04/21 19:11
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投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
■まえがきを見る
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プロローグ
第I部 フリーエージェント時代の幕開け
第1章 組織人間の時代の終わり
◎組織人間という前時代の遺物
◎「ハリウッドの世界」へ移行する
◎常識、その無意味なるもの
第2章 3300万人のフリーエージェントたち
◎フリーエージェントの三つのタイプ
◎フリーエージェント社員
◎ミツバチを数える
第3章 デジタルマルクス主義の登場
◎経済の「子供時代」の終焉
◎生産手段が安価に
◎経済の繁栄
◎組織の短命化
第II部 働き方の新たな常識
第4章 新しい労働倫理
◎マズローの世界
◎意味のある仕事
◎フリーエージェントの労働倫理
第5章 仕事のポートフォリオと分散投資
◎保障
◎忠誠心
◎労働市場の新しい取引
第6章 仕事と時間の曖昧な関係
◎一日
◎一週間
◎一年
◎一生涯
第III部 組織に縛られない生き方
第7章 人と人の新しい結びつき
◎フリーエージェント・ネーション・クラブ
◎フリーエージェント連合、起業家ネットワーク、同窓会グループ
第8章 互恵的な利他主義
◎二つの組織図
◎弱い絆の力
◎信頼が支えるシステム
第9章 オフィスに代わる「第三の場所」
◎コピー店
◎コーヒーショップ
◎書店
◎エグゼクティブ・スイート
◎インターネット
◎大型オフィス用品店
◎私書箱センター
◎宅配サービス
第10章 仲介業者、エージェント、コーチ
◎仲介業者
◎エージェント
◎コーチ
第11章「自分サイズ」のライフスタイル
◎バランスを取る人、ブレンドする人
◎無力な家族休暇
◎ブレンドは進化の法則
第IV部 フリーエージェントを妨げるもの
第12章 古い制度と現実のギャップ
◎医療保険の恐怖
◎税金地獄
◎時代遅れの地域地区規制
第13章 万年臨時社員と新しい労働運動
◎テンプ・スレーブ
◎万年臨時社員
◎自発的に組織する労働者たち
◎NBA+労働組合?
第V部 未来の社会はこう変わる
第14章 リタイヤからeリタイヤへ
◎「依存」から「自立」へ
第15章 テイラーメード主義の教育
◎義務教育という均質化装置
◎在宅教育の革命
◎高校はなくなる
◎大人の「脱学校」
第16章 生活空間と仕事場の緩やかな融合
◎ホームオフィスと「山小屋」
◎コンピュータがある場所=自宅
◎フリーエージェントが集う近未来のオフィス
第17章 個人が株式を発行する
◎FAN債
◎フリーエージェント版IPO
第18章 ジャストインタイム政治
◎フリーエージェントの政策課題
◎政治もジャストインタイム方式で
第19章 ビジネス、キャリア、コミュニティーの未来像
◎ビジネス
◎キャリア
◎コミュニティー
エピローグ
解説
訳者あとがき
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僕らの気持ちを代弁してくれる
非常にすばらしい本だ。著者は僕らの気持ちを代弁してくれる。もう、大企業に勤めれば安泰という時代ではないし、その「安泰」という言葉こそが死語になる。自分自身でリスクのコントロールができない生き方は逆に非常に危険だ。
著者は、米国労働者の4分の1の雇用形態にもなっているフリーエージェント的な働き方やそれを支える考え方などを徹底的に取材し、まとめている。さまざまな、登場人物の紹介とともに、フリーエージェント的な働き方に対する誤解を解きや心理的な壁を低くしてくれる。
オフィスや交渉の場として利用されるスターバックス、事務作業代行のキンコーズなどの店舗の現代的意味の分析など面白い。
「義務教育という均質化装置」がもうすでに役立たずになり、弊害が大きいという点を指摘してくれたところに共感を感じた。
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これはやられました。創業の理念にかいたことの前提となる社会がそのままリポートになっています。しかも2002年に。なんかそれをいまさら言ってたなんて恥ずかしかったけど、でも勇気づけられました。
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クリントン政権下で大統領などのスピーチライターとして活躍していた著者は自らフリーエージェントとして働くという選択肢をととり、同書を執筆。
著者はフリーエージェントをフリーランス、臨時社員、ミニ起業家の3つに分類し、従来型のオーガニゼーション・マンと対比していく。
転職市場の活性化、ゼネラリストから専門職への需要増大などについては近年注目されているが、それがフリーエージェントという新しい働き方として定義されるのは比較的新しい。組織に身を置かず、複数の企業をクライアントとして抱えながら働くフリーエージェントというスタイルは、一見Risk taking behaviorであるように感じられるが、同時に自分の価値観に基づいて動ける自由な生き方として多くの現代人を魅了して止まない。
読んでいて最も印象的だったのは、著者が従来の米国人は組織に常に忠実であることを求められ、その代わりに社会保障と雇用の安定を保障されていたと、まるで日本的経営のようにオーガニゼーション・マンを表現していた点である。組織に縛られず、自分で自分の道を切り開くフリーエージェント社会が日本にも浸透していくのか見ものだ。
・フリーエージェント本人の、家庭と仕事の「バランス」を取るのではなく、「ブレンド」したいという発想。遊びや家庭と、仕事の境界が曖昧で、むしろその渾然とした状態そのものが「クール・ジュージョン」という考え方。それが、フリーエージェントとして生きることの魅力になっている
・情報分野であれ、介護福祉であれ、これから成長が期待される分野に共通することがある。それは「与えた者が与えられる」という事実だ。インターネットでは、情報を発信する人に、情報が集まる。介護では、癒す人がもっとも癒され、ケアする人がケアされる。まずは宣言し、自ら行動を起こすことが必要だ。そこにチャンスやヒントが集まってくる。
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日本では過労死が問題になっている。彼らはなぜ自分の命を犠牲にしてまで組織に忠誠をつくすのか?かつての日本的経営では終身雇用が約束されていた。しかし、時代は変わり成果主義の導入によって過酷な労働を強いられ文句も言えない管理職が増えた。著者ダニエル・ピンクはこれからの時代はフリーエージェント、すなわち誰にも雇われず自らの専門的能力で収入を得る人たちが増えてきていると言う。彼らには企業への忠誠心などない。あるのは横の忠誠心、つまり同じ環境のもとで働くフリーエージェントたちに対する忠誠心だ。調査はアメリカで行われたものでだが、今後の日本の社会では働き方に変化が起きるのか注目していく必要がある。
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フリーエージェントに抱かれがちなマイナスイメージ(忠誠心がない・収入が安定しない・仲間同士の連帯感やつながりが持てないetc)を逆説的に否定しながら、なぜアメリカで雇用という働き方を捨て、フリーエージェントの働き方を選ぶビジネスパーソンが増えているのかという理由を分析します。
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フリーエージェントは、"インターネットを使って自宅で一人で働き、組織の庇護を受ける事無く自分の知恵で働き、独立していると同時に社会と繋がっている人間"とこの本では定義している。アメリカ西海岸中心の話ではあるので、自由万歳!雇用されない働き方万歳!というユートピアニズムちっくに働き方の未来が描かれている。あぁ、そういう生き方はよいなーと思う一方で、本当にそんなに上手くいくのかなーと日本で働きながら読むと色々と感想を抱ける本だと思う。でも、これからの働き方を考えるならバイブルとなりうる一冊だと思う。
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フリーエージェントとは何か。本書によれば、フリーエージェントとは、「インターネットを使って、自宅でひとりで働き、組織の庇護を受けることなく自分の知恵だけを頼りに、独立していると同時に社会とつながっているビジネスを築き上げた」人々のことである。アメリカではすでに4人に1人がフリーエージェントであるという。本書を読めば、(少なくともアメリカでは)フリーエージェント社会の到来がすぐそこまで来ていることがわかるだろう。「ハイ・コンセプト」もそうだが、ダニエル・ピンクの著書は説得力があると同時に先見の明があり、読んでいて得られるものが非常に多い。今後も彼の著書には注目していきたい。
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組織人間からフリーエージェントへ!我々の未来を予測する卓越した社会論。すでに巨大企業の時代は終わった。
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・アメリカ労働人口1/4の3,300万人が組織に属せずフリーエイジェントとして働いている。中には臨時社員として現状に甘んじている層もいるが、9割は「安定」より「自由」のためにフリーエイジェントの道を選んでいる。・個人主義のイメージが強いアメリカだが、20世紀後半までは仕事人のロールモデルは「オーガニゼーション・マン」(自分の個性を殺し、集団規律を守り、みんなのために行動する人)だった。・企業も同様(IBMやボーイングといった大手企業)に、住宅供給やアンチリストラ主義を唱え、会社は家族のように安心して過ごせる場として同社の魅力を強調していた。・が、外部環境の競争が激化して会社の組織形態が「家族」→「チーム」へ変わり、貢献度が薄いチームメイトはリストラされることになり働く人の意識も変わってきた。・また、?労働を生産するための資本(パソコンなど)が安価になり個人が所有しやくなったこと、?既存労働者の中で大恐慌などを経験して極貧を恐れる人が減ったこと、?会社の寿命が短く会社に属するだけの生き方自体がリスクを伴うことも後押しして爆発的にフリーエイジェント的な働きが波及している。・働き方を自由に選べるフリーエイジェントの仕事と私生活は、明確の区分があまりなく、両者を自分なりにブレンドして働いている。昨今叫ばれている、ライフワークバランスといった、私生活と仕事を別のものと捉えて、それらをどのように両立させるかの考え方自体が旧世代のもので、体形の違う人々に対して同じ服を着せようとする行為に等しい。(フリーエイジェント的な働き方がオーダーメイド服を着ているに対して)・これらフリーエイジェントの人が活躍するためには、?縦ではない、ゆる〜い横のつながり、?孤独を癒すための同業者の憩いの場(スタバ、キンコーズなど)を通して仕事を紹介してもらえるに関係作りをすることが大切。・この人間関係の保ち方は、誰より誰が強いという男性的な主従的な考えより、誰が他の人と仲がよく、人気があるのかといった、女性が本能的に持っている対人関係の特徴と似ており、女性の方がフリーエイジェント社会にすんなり入りやすい。
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おもしろくて一気に読んだ。生活の単位が個人へとシフトしていくなかで、とても魅力的な生き方が論じられている。ちょい長い。
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フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか
凡例
■:表題 *:項目 =:等価 →:つまり(so) ↓:そして(and) ←:なぜなら(because) ↑:参照 !:アイディア ?:疑問
□KEYWORD
□KEYSENTENSE
アメリカの労働人口の4人に1人が、本書で言う「フリーエージェント」という働き方を選んでいるという。フリーエージェントとは、「インターネットを使って、自宅でひとりで働き、組織の庇護を受けることなく自分の知恵だけを頼りに、独立していると同時に社会とつながっているビジネスを築き上げた」人々を指す。フリーエージェントたちが、そういった働き方を選んだ理由、そしてその生活と仕事の実態が詳細に描かれている。著者が1年かけて全米を旅し、大勢のフリーエージェントたちに直接会って調査しているため、机上で練られただけの社会論にはない説得力がある。
本書の著者は、米上院議員の経済政策担当補佐官、労働長官の補佐官、副大統領の首席スピーチライターを務めたのち、フリーエージェントになった経験の持ち主。フリーエージェントの実態調査をといったミクロな視点と、フリーエージェントが社会に与えるインパクトといったマクロな視点からの議論がほどよくミックスされ、社会の大きな潮流をとらえた論述となっている。
「いまの仕事が永続するなどと言える人はどこにもいない。誰もが『臨時』労働者なのだ」というとおり、現代の環境においては、企業に人生すべてを賭けることは難しい。しかし、日々問題にぶつかりながらも、自分らしい働き方を模索しているフリーエージェントたちの「証言」は、本書を生き生きと彩っている。また、成功しているフリーエージェントだけではなく、万年臨時社員として不当に搾取されている層についての論述も詳しい。
日本では、社会のフリーエージェント化に関しては、アメリカに大きく遅れをとっている。しかし、正社員にならない働き方に対する関心は高まりを見せており、一部の業界では、すでにフリーエージェント社会になっている。本書の第5部で描かれているような未来の社会が実現するのも、そう遠い話ではないのかもしれない。(朝倉真弓)
フリーエージェント社会の到来 「雇われない生き方」は何を変えるか
フリーエージェントというと、プロ野球でお馴染みだが、米国では企業社会でも一般的になってきた。1つの企業に所属するのを嫌い、企業と自由に契約を結ぶ人のことだ。既に就業者の4人に1人の割合に達するという。彼らの多くは、情報技術(IT)を駆使して同時に数社の仕事をこなす。
終身雇用で社員を雇うのは企業にとってリスクだが、逆に1つの会社に自分の人生を捧げるのは個人にとってもリスクである。とりわけ企業の平均寿命が短くなっている状況では、いくつもの企業と契約を結ぶリスクヘッジが不可欠と著者は書く。日本の多くの企業が「終身雇用」の暖簾を下ろし大幅な人員削減を厭わなくなった中で、日本でもフリーエージェント社会の到来は間近なのかもしれない。
プロローグ
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第1部 フリーエージェント時代の幕開け
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■ 第1章 組織人間の時代の終わり
■ 第2章 三三〇〇万人のフリーエージェントたち
フリーランス・臨時社員・ミニ起業家
■ 第3章 デジタルマルクス主義の登場
経済の「子供時代」の終焉
生産手段が安価に
経済の繁栄
組織の短命化
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第2部 働き方の新たな常識
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■ 第4章 新しい労働倫理
マズローの世界
意味のある仕事
自由・自分らしさ・責任・自分なりの成功
フリーエージェントの労働倫理
■ 第5章 仕事のポートフォリオと分散投資
仕事のポートフォリオと分散投資
保障
ヨコの忠誠心(Horizontal loyalty)
上司や組織に対するタテの忠誠心に代わって登場した。タテの忠誠心と違って、ヨコの忠誠心はたいてい双方公的なものだ。
忠誠の対象は、チームや同僚、元の同僚、顧客、業界や職業、家族や友人である。(第8章「互恵的な利他主義」も参照)。
■ 第6章 仕事と時間の曖昧な関係
かのアルバート・アインシュタインにとっても、時間の性質を解明するのは簡単なことではなかった。物理学者は、時間を空間の三次元と並ぶ一つの「次元」と考える。
哲学者や認知科学者は、時間を自然界に存在するものというより、人間が頭の中でつくり出したものと考えている。
しかし、私たちの大半はもっと具体的に考えている。ことわざにある、「時は金なり」というのが人々の認識だ。
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第3部 組織に縛られない生き方
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■ 第7章 人と人の新しい結びつき
■ 第8章 互恵的な利他主義
小規模なグループを動かす基本的な価値観――信頼、互恵主義、ヨコの忠誠心――がフリーエージェントという働き方そのものにとっても書かせない栄養素である
大切なのは、お互いの尊敬と信頼に支えられた、強固なネットワークを築いて、その後も人脈を広げ、強化していくこと。
顧客や同僚、パートナー、先生、雇用主、従業員、友人、親戚との関係を維持し続けること以上に、強固な保障を与えてくれるものはない
フリーエージェントの組織図は、従来の起業の組織図よりも、むしろ人間の脳に似ている。
私たちの脳の中では、古いニューロンと新しいニューロンが絶えず結びつき、離れてはまた結びついて、新しい回路をつくっている。
私たちはこうして、ものを考え、ものを学び、ものを記憶するのだ。
従来の20世紀型の雇用形態に比べて、フリーエージェントという働き方の方が人間の性質に調和しているのは、もしかするとこのためなのかもしれない。
本質的に、人間は「弱い絆の人間関係や緩やかで流動的なコミュニティー、稼働性、不安定な社会構造の中に放り込まれてもほとんど問題を感じない」
グッピーもヒヒも協力し、��いに好意を持ち合い、裏切ったものを排除して行く
「与えた者が得る」という原則は、進化の法則にかなったものだ
ユダヤ教「自分のして欲しくないことは、他人にしてはならない。これがすべての法である」=何時の欲するところを他人になせ
■ 第9章 オフィスに代わる「第三の場所」
■ 第10章 仲介業者、エージェント、コーチ
■ 第11章 自分サイズのライフスタイル
セグメンター(区別する人)と、インテグレーター(一緒にする人)
住居の場所と仕事の場所が別々になったのは、産業革命以降のこと。この変化は、「仮定に大きな影響を与えた」経営学者のピーター・ドラッガー
ゼロ・サムよりポジティブ・サム
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第4部 フリーエージェントを妨げるもの
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■ 第12章 古い制度と現実のギャップ
■ 第13章 万年臨時社員と新しい労働運動
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第5部 未来の社会はこう変わる
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■ 第14章 リタイヤからeリタイアへ
大学の学生寮、高級マンション、起業の巨大なオフィスの三つの性格を持ち合わす場所
■ 第15章 テイラーメード主義の教育
■ 第16章 生活空間と仕事場の緩やかな融合
未来の職場=個人用スペース(20%)、着陸スペース(20%)、会議室などの共同作業スペース(60%)、
■ 第17章 個人が株式を発行する
■ 第18章 ジャストインタイム政治
■ 第19章 ビジネス、キャリア、コミュニティーの未来像
エピローグ
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本書は、友人にとても強く勧められたので手に取りました。
著者は、副大統領のスピーチ・ライターとして有名な、ダニエル・ピンク氏。
以前、他の本ですが大前氏が訳を行ったものを読んだ事がありますが、
なかなか鋭い指摘で良かった記憶があります。
内容は、アメリカで既にフリーエージェントが4人に1人いる。そして、彼らは
緩い横の関係で結びつき、プロジェクト毎に集まっては解散していく。今後、
彼らの人口は増えていき、より重要となるだろう。個の存在がより強くなる。
基本的にはこのような内容ですね。その他の内容は、上記に付随して変化するもの、
対応してない制度、法律等です。
「個の存在が強くなる」これは、あらゆる所で言われています。個人的には、既知感的
ですが、もともとは本書が最初に述べた事かもしれませんね。しかし、読んでいて
感じた事は、より個人主義的な社会になり、競争的になるという事です。
ネットで誰もが検索できる時代であれば、地域性に関係なくより良いサービスが
世界中を横断していく事でしょう。
ただ、本書の中で上記以外でとても重要な事を述べていて、それは、
●人脈の中心になること。つまり自分がハブになること。
です。あらゆる人と信頼関係を構築していく事がこれから重要となります。
結局は、人に信頼されまとめていく能力:リーダーシップが問われる事だと
思います。いつの世の中でも。そのために、動く事は大切だと思いました。
誰かのために何かをしているでしょうか?
その誰かは、将来にわたってあなた自身に何か有益な事を与えてくれそうですか?
そうであるなら、積極的に相手のためになる事行いましょう。
本書、お薦めです!