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商品説明
ここはおじいちゃんの少年院!? 余命わずかな身寄りのない人々、元日雇い労働者らと暮らす、涙と笑いの日々。東京・山谷のドヤ街の一角に、在宅型のホスピスケア施設「きぼうのいえ」を開設した著者が、施設の日々を語る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
山本 雅基
- 略歴
- 〈山本雅基〉1963年生まれ。上智大学神学部卒業。NPO法人ファミリーハウス事務局長を経て、緊急の一時保護施設「なかよしハウス」、ホスピス「きぼうのいえ」開設。同施設長。
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紙の本
ホスピスというイメージからは程遠い、山谷のホスピス
2006/04/25 20:39
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ツタコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本有数のドヤ街、山谷。ここでは1960年代の高度成長期、日雇い労働者として働いていた人々がそのまま高齢化し、ある人はドヤに住民票を置き生活保護を受け、ある人は路上生活を選び苛酷な生活を送っている。
そんな山谷のまっただなかにできたのがこの本の舞台となる在宅ホスピスケア施設「きぼうのいえ」だ。ホームレスをはじめとする、身よりも行くあてもない病身のお年寄りたちが、ボランティアの人々の助けを借りながら共同生活を送る、いわば最期の家。日本版の死を待つ人の家といったところだろうか。
しかしここの住人たちは、ホスピスの患者、というイメージとはかけ離れたパワーを持った人ばかりである。点滴をしたままパチンコに出かけたり、血圧低下したまま3日も生き延びたり。
生きていくだけで相当なエネルギーを使わざるを得なかった山谷の人々は、死ぬときも一筋縄ではいかないのだ。そんな海千山千のお年よりを相手に、著者である「きぼうのいえ」施設長山本さんの奮闘(あるいは悪あがき)ぶりがおもしろい。
さんざん迷惑をこうむったであろう入居者の親族に、「こんな風に死ねてよかった」と言ってもらえる。人生最後の希望とは、幸福に死んでゆくことなのかもしれない。そのために「きぼうのいえ」は戦いつづけていくのだろう。