紙の本
イタリア人は人生を楽しむために懸命に働く
2007/08/27 22:50
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
イタリアというと何をイメージするだろう。地中海、マフィア、パスタ、フェラーリ、サッカー(セリエA)、日独伊三国同盟、・・・。人口5,700万人に対して、法人登録数2,000万社という。労働人口が半分とすれば(労働できる)国民全てが社長という計算。サブタイトルはここから来た。
最近、日本人の働き方は世界的に見ても変(異常)なのではないか、と思い始め、働き方に関する本を読むことが増えた。そして本書に出会った。イタリア人に学べることがあるのではないかと期待して読んだ。
イタリア人というと日本人ほど勤勉ではないという勝手なイメージがある。良く言えば日本人よりもずっと人生を楽しんでいる印象だ。「まえがき」ではいきなり「イタリア人は怠け者だ」と来るから、私の持つイメージも似たようなもの。また「あとがき」では「満身創痍の三流国」とも書かれているが、そんなイタリアが経済破綻も起こさず、ファッションやデザインなど様々な産業でリーダー格であり続けている不思議さにも触れている。
著者の分析ではイタリアの強みはどうやら「個人の独創性を発揮する分野」にあるようだ。本書では著者が取材した、いろんな業種のマエストロ<達人>たち(多くが社長)が登場する。イタリア人は凡庸を嫌うと言われるとおり、いずれの人物も映画のような劇的な人生を歩み、成功を収めている。だからどの章も楽しく読めるだろう。こんな会社なら入りたい、こんな会社を作りたいと思ってしまうのは私だけだろうか。
特に興味深かったのは第五章のカシミア製品のクチネッリ社の社長への取材。彼は「商売も愛情が基本。人間というものへの理解が大事」と言う。紙面の関係で取材内容はごく短いものだがこの項を読むだけでも、こんな会社が世の中にあることが奇跡だと思うくらい感心した。この項だけでも是非読んで欲しい。こんな会社なら私も入りたいと思う。
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イタリア人ってやっぱりステキです。私もこういう性質を目指します。
これからの時代、高付加価値戦略≒イタリア人の働き方 です。
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初めてお会いした人とイタリア話で盛り上がり、別れ際に手渡された本。
私がイタリアにはまった理由が「あれだけ有名でいいものをたくさんつくっているのに、実は家族経営でとっても暖かい人たちがやっていることがわかったからそれを伝えたくて。」と熱く語った私。
「イタリアのような起業家がたくさん生まれれば日本ももっといい国になると思う。」と話していた彼女。
「今日話したようなことが書いてあるから」と手渡されたこの本を読み始めたらとまりませんでした。私が目で見て感じてきたことは本当だったんだ、と思って嬉しくなってしまったのです。モデル並みに美人名人が靴磨きの達人として有名になって言った話、幻の生ハムの達人、自転車界のフェラーリなど様々な人のインタビューが紹介されています。その仕事に対する考え方や人生に対する考え方はとても共感できました。
とても有名な人たちなのに、決して量産はしない。自分の人生の中でバランスを決め、上質のものを自信を持って作れる範囲で経営していく。だからこそファンがいる。
イタリア人は確かにのんびりしているところもあります。でも、それが許せてしまうのはやはり人の温かさと理由がわかるからでしょう。適度におおさっぱなところが私の性格にもあっているのかもしれません。そして起業スタイルも同じなのかも、と思った1冊でした。
達人になるぞ!?
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何のために働くのか改めて考えさせられる。職人気質な生き方は目指すところでもある。「金のために働くのではない」と言い切ってみたいもの。
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6月6日読了。零細・中小企業ながら世界に名だたる工業品・サービスを生み出すイタリア企業の社長を紹介する本。自分が「よい」と信ずるものを自分でコントロールできる範囲で生産し、家族と過ごす時間など自分が大切にすべきものを最優先して生きるイタリア人の姿はうらやましく見えるが、彼らにとっては当然のこと・仕事のために家庭を犠牲にする日本人の精神構造こそ理解の範囲外にあるものなのだろうな。・・・私もうらやんでばかりはいられない。
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イタリアの零細・個人企業を紹介している本。
零細といっても、それは企業の規模の事であって、決して経営が厳しいとかそういう話ではない。
むしろ、商品の品質を守るために大きくなる事を拒んでいる企業もある。
「仕事」に対する考え方がとても独特
仕事は自己実現をするための手段であって、目的ではない
あるいは、人生に必要な金を手に入れるための手段。もちろんその金は人生を楽しむために使われる。
本当に個人や家族を大切にしている国柄だ、と思う。
年間1500本の生ハム生産者は、最高の生ハムを求めて首相が注文しても1シーズンに4本だけ。
会社の目標が「人間の尊厳を保つこと」というカシミヤの生産メーカー。
世界大戦を乗り越えて現在も技術を保つ、世界に誇れる鉄打ち名人。
観客の感嘆を得るためなら、失敗の危険を冒してでも舞台に立つほうを選ぶイタリア人らしい働き方。
イタリア人はこう、と言うのはあまり好きじゃないけど、確固とした目的を持っている、というのは確かだろう。
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-生きることは、楽しいことでなければならない。人生を満喫したい-。そういった自己の享楽優先が、ときには怠惰に見える場面を産むのかもしれない。しかし<自分の持つ価値観を優先する>ということと<怠惰>は、やや異なる-
正直、企業の中で昇進したり、やりたい仕事をするのは結構難しいでしょ?だったら、起業してみれば?だって、美しく、楽しく生きたい、働きたいではないですか。人生は一度です。この本を読んで、ヒントをみつけよう!
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イタリアの大きな組織でイタリア人と働いた後、今は小さな組織でイタリアの中小企業との連携で働いているので少し思ったことを書こうと思う。
明らかにイタリアは、個人のパワー、強烈な自我がさく裂しているので、中小企業や家族経営が発展しているのは分かる気がする。大企業より小さい規模の会社で自分のやりたいようにやることを好むイタリア人が多いような気がする。
ただ、海外を相手に仕事をしているイタリア人は、自分たち流を外国人相手にまで強要してしまい失敗してしまう。また、イタリアには特に大学を卒業しているモノは謙遜な態度など取らず、職歴がごくわずかでも、たとえプレカリアート(非正規雇用社員や期限付き雇用)だとしても自分は立派な一人前として意見するので、アジアでは嫌がられるのかもしれない。管理職に直々もの申すプレカリアート、日本ではそういないのでは?自分の雇用されている立場を考えずに自分流を貫き通して失敗するイタリア人も少なくはない。
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イタリア人企業家たちの、仕事に対する姿勢や、成功譚の本。実用的ではないが、仕事をやる上での哲学という部分では得る部分はあるかも。労働に関する突っ込んだ議論があるものかと思っていたが、そういう本ではないようだ。
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論理的な思考を好む日本人と、体感的な感覚を好むイタリア人。
日本人の物づくりが「便利さを代表とする機能性の追求」だとすれば、イタリア人の物づくりは「エキサイティングの追及」。ユーザーはもちろん、作り手自身が楽しむことが大前提なのかもしれませんね。
そんなイタリア人15人の働き方を紹介している本書。
「成功のコツは、仕事に対する愛情と誇り」と語る、イタリア一の靴磨きから、水上タクシー運転手に、パパラッチ(スクープ記者)、中にはエクソシスト(悪魔払い)の第一人者まで登場します。
以前の私は、趣味や好きなことを仕事にするのは避けたほうが良い、と考えていました。それは好きなことを仕事にしてしまうと、いつかそれがうまくいかなくなったときに、好きだったことが嫌いになってしまうのではないかと考えていたから。でもその背景には、仕事は苦しいもの、苦労するもの、という自己概念が隠れていたのだと思います。
好き、は集中力を高め、学習意欲を高めます。当然成功する確率も高くなる。
『好きこそものの上手なれ』そんなことわざが腑に落ちる、エキサイティングなエピソード満載の本書。
働き方のみならず、人生に活力が欲しい時にものオススメの1冊です。
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日本とゆう国は、閉塞感で一杯のような気がします。イタリアとゆう国は、開放感で一杯のような気がします。
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[ 内容 ]
本書では、さまざまな例をあげて、イタリア人がゼロから、あるいはマイナスの状態からどのように事業を立ち上げて成功したかを紹介する。
女性も男性も、ここで紹介する人たちは、一人で仕事を始め、会社を興し、実績を作り、名前が知られるようになった。
多くの人が、社会的に恵まれず、中には義務教育すらまともに修了しないままに、苦労して成功を収めている。
―人口五七〇〇万人の国で法人登録が二〇〇〇万社。
国民全員が社長の国・イタリアの底力。
[ 目次 ]
第1章 サービスの達人たち
第2章 手仕事の達人たち
第3章 食の達人たち
第4章 プロジェクト・リーダー
第5章 人に幸せをもたらす経営
第6章 イタリアならではの職業
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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[2012.その13]様々な業界、職種のイタリアのプロフェッショナルな人たちがインタビュー形式で紹介されている。「一芸は万芸に通ず」というと少し本書のニュアンスとは違うかもしれないが、角界のプロフェッショナルたちがその道を究めているように、自分も何かを極めてプロフェッショナルを目指したい。
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この本に感化されて活動を始めたという人たちに
出会って購入した一冊。
労働人口のほとんどが事業主という国民全員が社長と言えるような国の
人々にとっての仕事観が伺えて面白かった。
このイタリア社会の仕事に対する考え方、お金に対する考え方は、
今後の日本が参考にすべき点がたくさんあるように思えた。
「大量生産しようとすると質が下がるからしない。」
この言葉は心に残る。
なんでもかんでもお金に目をくらませて、生きるのはむなしい。
お金では買えないものがあるということを忘れてはいけない。
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人口6000万人弱にも関わらず2000万もの事業所がある「国民のほとんどが社長」の国イタリアで、小さく誇りをもって仕事をしている人たちへのインタビュー集。
VIPご用達の靴磨きから、世界トップのビールメーカー、エクソシストまで。
共通するのは、事業をむやみに大きくするのではなく、目の届く範囲で、できる限りのクオリティで、誇りを持って仕事をしているところ。