「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
女子教育研究の基本書
2002/07/31 23:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:学士 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小山静子氏は、京都大学大学院の出身で、現在立命館大学の教授である。
本書は、日本近代の女子教育について検討する際の基本書である。
小山氏の本書での試みは、深谷昌志氏が『良妻賢母主義の教育』(黎明書房 昭和40年)で展開てした、理論への反論を提起することを目的としている。深谷氏は、明治国民国家において女性の役割がクローズアップされ国民意識の形成のために「国家志向的な女子教育」が行われ家庭の中で本分を尽くすことで国家へと奉仕する女性像が形成されたと述べる.小山氏は、深谷氏が、良妻賢母が儒教的な教育と連続性があると述べた点を批判し、良妻賢母は日本に固有な存在ではなく、良妻賢母思想は欧米の近代国家の規範的女性像と共通点・連続性を持つ近代の思想であり良妻賢母思想を通し女性は国民化されたと述べる.もっとも、深谷氏は、良妻賢母思想を、西洋思想と日本に固有な思想との複合思想だと述べているので、小山氏の批判は必ずしも当たらないのだが、西洋思想との連続性を考慮しようとする、小山氏の試みは意欲的で評価できるものである。
明治の女性について研究する人にとって、必携書である。