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商品説明
廃棄物の資源化問題は、リサイクル対象品目の増加、新たな資源化技術の開発など、様々な取り組みが展開されている。既存の技術と施設を利用した廃棄物の資源化にポイントを置き、種々の方策と実例を解説。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
村田 徳治
- 略歴
- 〈村田徳治〉鎌倉市生まれ。横浜国立大学工学部卒業。株式会社循環資源研究所代表取締役所長。淑徳短期大学非常勤講師。著書に「環境破壊の思想」「正しい水の話」など。
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紙の本
資源化を徹底するにはこれだけの方策がある。あとは,実行あるのみ
2001/01/07 18:15
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投稿者:正田 誠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
資源化,リサイクルは時代の要請である。しかしどの様な思想で行うかが問題である。
本著の根本思想は製造業者に初期から最終段階まで責任をとらせるドイツ政府型の是認とこの推進を強調するところにある。この結果,製品の価格上昇は避けられないが,企業の努力と競争原理でこの問題を解決できるはずであるとする。「廃プラスチックの資源化」の項目ではその考え方とその技術への紹介でこの点がはっきり強調されている。
また,単なる焼却処分でなく,資源化を徹底することを考えるべきとし,その時,既存の技術と既存の設備を利用した廃棄物の資源化の可能性を幅広く概説している。対象とするのは有機系廃棄物,廃酸,廃アルカリ,重金属,非重金属系無機廃棄物,廃プラスチックなど,資源化可能な物質は網羅されて,それぞれについてエネルギー化,資源化の面からの解説がなされている。
資源化,リサイクルの考え方として,「廃棄物資源化と自然」という一章をもうけ,物質不滅の法則の認識の徹底と生態系における生物および人間の役割を認識することを述べている部分は,こうした技術関係の本の中ではめずらしいと思える。環境を対象とする仕事では当然考えるべきことではあるのだが,技術者,学生がとかく忘れるか考慮に欠けていた点でもある。
ダイオシキンの発生を考えると安易な焼却処分に頼ることを止めるよう明言するなど,日本で行われている技術への疑問と政策への否定もはっきり提示されていて説得力を感じる。
今後,コージェネレーションによるエネルギーの効率化と燃料電池の推進,超臨界水熱分解による高分子化合物の要素物質への転換など十分可能性を秘めている技術への紹介に熱意が感じられる。
資源化は単なる技術の問題ではなく,社会制度,経済制度とも深く関係している。むしろこの問題の方が解決が難しいとも思える。この本の読者の対象となる技術の専門家,理科系学生にも著者の趣旨が十分伝わることを願うものである。
(C) ブッククレビュー社 2000