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紙の本
少年本人の言葉によるわかりやすいHIVの説明
2009/08/13 20:34
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る
無邪気に笑う少年の写真。
タイトルが横になければ、この少年・ジョナサンが
HIVに感染しているとはわからない。
本書は、語りかけるようなジョナサンの言葉と
写真やイラストで綴られるジョナサンの日常である。
HIVに感染しているということはどういうことなのか、
ジョナサンはどういう日々を送っているのか。
ぼくは友だちと2人でこの本を書くことにしたんだ。
ぼくがエイズなのにお医者さんたちが、
学校に行ってよいと言っている理由を
みんなに知ってもらいたいからなんだよ。
エイズにうつるってどんなことなのか、
君たちも知りたいだろうなと思ったからさ。
本書が米国で出版されたのは1989年、翻訳版が出たのは1992年。
以来10年以上、本書は、全国の学校の副読本として活用されているという。
1983年生まれのジョナサンの6歳当時のことで、
本の内容は終わっているが、
翻訳本をきっかけに、ジョナサンは、のちに何回か来日している。
その経緯については、『父親になったジョナサン』の
「日本版への後記」で書かれている。
6歳の少年が自分の病について、
自分と同年齢の子どもに理解できるように説明する言葉を持っていること。
それは、すなわち、彼が、そうやって
自らを語らなければならないという悲しい現実があるからなのだが、
それでも、彼の説明のわかりやすさには感動を覚える。
エイズはウィルスによっておこるこわい病気なんだ。
だけど、ウィルスが君の血管に入らないとうつらないので、
うつりにくい病気なんだ。
エイズのウィルスは、君がいろいろな病気にかかるのを守る
「めんえき」というはたらきをこわしてしまうのさ。
だから、ぼくがかぜにかかるとやっかいだし、
水ぼうそうやはしかなどにかからないようにしなくちゃいけないの。
つまりぼくは、学校を休む日が多くなっちゃうんだ。
ほかの子とおんなじことができて、走ったり、
バスケットボースをするのがすきで、フットボールも、
公園でアヒルやがちょうにえさをやることもすき。
自転車ものれるようになりたいし、
ベッドの上でジャンプしてお母さんに怒られたりもする。
友だちがいるっていいなあ。
だからぼくは学校に行きたかった。
3人のお兄ちゃんたちは、毎日学校に行っているけど、
ぼくが行きたがったときには待つようにと言われたんだ。
この部分は、さらっと書かれているが、
彼が学校に行くまでには大変な道のりがあったのだ。
その行間は、『父親になったジョナサン』に詳しい。
そばにいるだけでエイズにかかるかもしれないという誤解を解くための
彼の言葉は、そういう誤解に満ちた言葉が
たくさん彼に浴びせかけられていたことを意味している。
彼の母親が、息子がエイズにかかったことをどれほど悲しみ、
どれほどエイズについて学んだのか、
息子の学校に行く権利のためにどれほど闘ったのか、
これも少年が語る言葉の行間に詰まっている。
はじめて学校に行った日、彼は、
クラスの友だちにエイズについて話している。
ぼくの血液の中に病気がある。
赤ちゃんのときに輸血してうつったんだ。
エイズっていう病気で死ぬことだってあるんだ。
もし、ぼくがころんでけがをして血がでたら、
みんなは助けをよびにいってね。
君たちがぼくを助けようと思っちゃダメ。
ぼくの血液にさわっちゃいけないよ。
ぼくのちかくにいるだけで病気がうつることはないから
心配しないでね。
たとえぼくの血が出てもね。
おとなの人に助けてもらうことをおぼえておいてね。
エイズのウィルスは、ぼくのからだから出たら死んじゃうから、
ウィルスが外をとびあるくことなんかできないよ。
ぼくにさわるのをこわがる必要もないんだ。
さわったってエイズにうつることなんてこともないからね。
そして、「めんえきシステム」の細胞とウィルスの戦いを説明するときに、
サメ、イルカ、アザラシ、ヒトデ、タコのイラストを使って説明する。
サメがTキラー細胞、イルカがTヘルパー細胞、
アザラシがB細胞、ヒトデが抗体、エイズウィルスがタコ。
タコがイルカを攻撃し、イルカはアザラシやサメなどの
味方を呼べなくなるから、
インベーダーをやっつけられずに戦いに負けてしまう。
麻薬やセックスとエイズに関することも、
彼の言葉で説明して、誤解を解いていく。
酸素ボンベのこと、毎日の生活や家族との関係、
生活上気をつけていること。
彼の生活を語ることがそのままエイズに関する誤解を払拭していくことに
一役買うことになる。
そして、彼の言葉と表情は、生と死を語る。
動物はみんなだいすき。生きることや死ぬことについて、
ぼくに、たくさんのことを教えてくれるよ。
ぶたをなでたり、アヒルを抱っこしたり、
魚の赤ちゃんやカエルの水槽を覗いたり、
死んでいるこまどりを見つけたり・・・。
動物をかわいがる彼の顔は、どこかはかなげで悲しそうな顔にも見える。
でも、最後の一ページの写真と言葉は、きっと、希望なんだ。
紙の本
エイズのことを教えてくれます
2018/06/03 05:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nabe - この投稿者のレビュー一覧を見る
エイズとはどんな病気なのかがジョナサンという可愛らしい少年の言葉で綴られています。
ジョナサンはエイズのことを、子どもにもわかるような優しい言葉で、わかりやすく教えてくれています。
そしてジョナサンがみんなと同じ、普通の少年であることも伝わってきます。バスケットボールが好き、フットボールも好き、ベッドの上でジャンプすることもある・・・
病気と闘いながら、健気に懸命に生きているジョナサンに心を打たれます。
みんながきちんとエイズのことを理解して、ジョナサンが普通に、やりたいことを何でもやれるようになりますように。ジョナサンやジョナサンのような子供たちが、幸せでありますようにと願わずにはいられませんでした。