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小博打のススメ (新潮新書)
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紙の本
病気だって免疫があれば軽くて済む。“小博打”は、いわば免疫だ
2003/12/11 17:58
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:安之助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
早い話が、小博打の「HOW TO本」である。知る人ぞ知る「勝負事大好き人間」である著者が、自らの経験を基にして著している。ちょっぴりと勝負哲学を添えて。ただし、著者自身は必ずしも“小博打”だけを楽しんでいるのではなさそうなのだが…。
本書で解説してあるものは、以下の7種類。
1.麻 雀、2.サイコロ博打、3.カードゲーム、4.おいちょかぶ、5.手本引き、6.カジノ、7.将 棋
麻雀は普通のルールの他に「サンマ(3人麻雀)」を紹介している。サイコロ博打では“丁半博打”は紹介していなくて、主力は「チンチロリン」である。それに付随して「タヌキ」、「キツネ」、「ちょぼいち」も(いずれも命名の由来は分からないそうだ)。
今年亡くなった柳家小さん師匠の得意ネタに「たぬ賽」というのがあった。これは、人間の子どもたちに捕まって、たぬき汁にされそうなところを助けられた子だぬきが、恩返しをする噺である。その恩返しの舞台が、当時、裏長屋では普通に楽しまれていた「ちょぼいち」だ。だが、いまではどう遊ぶのか、知らない人のほうが多いだろう。だから、サイコロ博打に興味はなくとも、古典落語鑑賞の参考にはなるのは間違いない。そうそう、「看板の一(ピン)」という噺の舞台も「ちょぼいち」だ。
カードゲームでは「セブンカードスタッド(ポーカー)」と「オール」に、力を入れて解説している。ただし「オール」は正式名称ではないようだ。私の所有しているWindows95マシンは富士通製だが、そこにプレインストールしてあるGamepackには「レッドドッグ」というよく似たゲームがある。
「手本引き」は、“その筋の人”御用達のゲームだ。だが、ゲーム性はけた違いだと著者は絶賛している。ポーカーなど足下にも及ばないそうだが、残念ながら、任侠映画を観たときには、私はルールをを知らなかった(それにしても、著者は“その筋の人”でもないのに、何で知っているんだろう)。
ゲームと博打は紙一重だ。トランプ(カードゲーム)の「ババ抜き」でも、ビリになった者がめし代を持つのだったら“立派”な小博打だ。だが、角度を変えて見ると、めし代を賭けることによって、よむ真剣さが増幅するのではないか。最後に2人残ったとき、自分はジョーカーをとらないよう、相手はとらせるよう、その駆け引きが心理戦だ。ところが賭けられていないと、投げやりになる人もいるかもしれない。もちろん、「ババ抜き」の勝ち負けに一財産を賭けて大博打に発展させるのは言語道断だが、よりゲーム性が高い遊びにわずかの金品を「のせる」のは“頭の体操”として、許されていいだろう。それが著者の主張である。