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暗号 ポストモダンの情報セキュリティ (講談社選書メチエ)
著者 辻井 重男 (著)
【大川出版賞(第5回)】社会の変革とともに変わる暗号。「秘匿」と「認証」を担う電子空間の革命が起こした現代の暗号は、鍵・アルゴリズムを公開してもなぜ解読されないのか。魅力...
暗号 ポストモダンの情報セキュリティ (講談社選書メチエ)
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商品説明
【大川出版賞(第5回)】社会の変革とともに変わる暗号。「秘匿」と「認証」を担う電子空間の革命が起こした現代の暗号は、鍵・アルゴリズムを公開してもなぜ解読されないのか。魅力的な暗号の世界へ誘う。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
辻井 重男
- 略歴
- 〈辻井重男〉1933年生まれ。東京工業大学卒業。工学博士。東京工業大学教授を経て、現在、中央大学理工学部教授。専門は情報通信システム、暗号理論など。著書に「暗号と情報セキュリティ」ほか。
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「公開鍵暗号」を知らずに現代社会を生きることはできない
2001/02/17 00:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者によれば、古来、暗号は「秘匿」を目的としてきたが、現代の暗号はさらに「認証」(署名、相手確認、情報が改竄されていないことの証明等)の機能をもつ。そのために発想されたのが「公開鍵暗号」という奇想天外ともいえる概念で、これは人類が二千年以上にわたって使用してきた古典的・近代的な暗号システム(共通鍵暗号)の概念を覆えす画期的なものであった。
《一人のユーザーが、公開鍵と秘密鍵の二種類を用意し、公開鍵はすべてのユーザーに公開して、どのユーザーにも、その公開鍵で、自分宛の暗号文を作成してもらうのである。届いた暗号文を平文に戻す(復号する)には自分だけが秘密保管する暗号鍵を使う。》
ここで、ある公開鍵で作成した暗号文はこれと対になる秘密鍵でのみ復号化でき、またある秘密鍵で作成した暗号文はこれと対になる公開鍵でのみ復号化できるのであって、これが公開鍵暗号の「秘匿」機能の仕組である。いま一つの「認証」機能の方は、たとえば次のような手順で果たされる。
AがBに署名付の親展メールを送信する方法。Aはまず自分の秘密鍵を使って平文を暗号化し、さらにBの公開鍵を使って暗号化する。この二重に暗号化されたメールを受け取ったBは、まず自分の秘密鍵を使って復号化し、さらにAの公開鍵を使って復号化し、平文を復元=解読する。
この暗号システムには、意識と無意識、表現と解読、自己と他者の錯綜した関係を解明する(利用可能なものとする)文法のようなものが潜んでいる。ただし、ここでいう「文法」は、ある一組の公開鍵と秘密鍵を作製するアルゴリズムとはまったく異なるものである。
──現代社会で生きていくうえで、それが実際面であれ観念世界であれ、暗号のこと、とりわけ「公開鍵暗号」への深い洞察が欠かせない。私はそう思う。本書はその有益な入門書である。