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紙の本
日本の禍機 (講談社学術文庫)
著者 朝河 貫一 (著)
世界に孤立して国運を誤るなかれ──日露戦争後の祖国日本の動きを憂え、遠くアメリカからエール大学教授・朝河貫一が訴えかける。歴史学者としての明解な分析に立って、祖国への熱い...
日本の禍機 (講談社学術文庫)
日本の禍機
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商品説明
世界に孤立して国運を誤るなかれ──日露戦争後の祖国日本の動きを憂え、遠くアメリカからエール大学教授・朝河貫一が訴えかける。歴史学者としての明解な分析に立って、祖国への熱い思いが格調高く述べられ、読む者の心に迫る。彼の忠告も空しく、軍国主義への道をつき進んだ日本は、戦争、敗戦へと不幸な歴史を辿った。日米の迫間(はざま)で、日本への批判と進言を続けた朝河。彼の予見の確かさと祖国愛には、今もなお学ぶべきものが多い。【商品解説】
目次
- ●前篇 日本に関する世情の変遷
- 日本に対する世評の変化
- 満州における日本に対する世の疑惑の由来
- 反動説──感情的反対者──利害的反対者
- 東洋における世界の要求
- 一八九九年以前
- 一八九九年以後
- 日露戦争以後
- ●後篇 日本国運の危機
- ・第1章 戦後の日本国民多数の態度に危険の分子あることを論ず
著者紹介
朝河 貫一
- 略歴
- 1873年、福島県生まれ。安積中学校、東京専門学校(のちの早稲田大学)を、いずれも主席で卒業。23歳で渡米してエール大学などで学ぶ。比較法制史専攻。エール大学教授。主に米国で活躍したが、日露戦争から第二次世界大戦に至る時代に、日本外交への痛烈な批判と忠告を行った。1948年、米国バーモント州にて死去。著書に『入来文書』、『日露衝突』などがある。
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紙の本
日本の禍機
2002/06/09 17:36
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日露戦争後、日本の軍国主義の擡頭と亡国の危機について、警告していた良識の徒がいた。それは、幾多の日本論を読むなかで、いつしか知ったことである。しかし、その具体的なことは全く知らなかった。ところで、ある本の参考文献として、この本を知ることができた。
日露戦争の直後に、軍国主義の擡頭、朝鮮や満州・清国への侵略、国際社会での孤立、英米との戦争、敗戦と亡国、を警告していた著作である。その見識、達見に驚く。まさにその後の日本は、ここで警鐘されていた道筋をたどってしまった。日露戦争の予想外の成果に日本人が有頂天になり、他国を侮るようになったためである。また、多くの血を流した代償として、満州の権益を握るのが当然の権利であると思い込み、世界の政治情勢の変化を読み取れなかったためである。目先の利益を追求するを愛国心となし、真の長期的利害を忖度しなかったためである。
多方面の視点から一つの現象を分析しており、邦人・清国人・米国人それぞれの立場から見ても論理的で公平であり、読みの深さもあり、言っていることに説得力がある。その後の日本の運命を知っているせいかもしれないが。過去にこのような日本人がいたことは、日本の誇りともいえる。著者は米国に留学し、エール大学の教授、名誉教授になった法政史研究家であるという。
編集者によって、旧漢字を新漢字に書き換えたり、漢語の意味を注記したり、読みやすくする工夫がなされている。しかし、明治時代の著作であり文体が古く、格調高いが、若い人には違和感があるかもしれない。それでも、現在でも十分通用する、日本人として反省すべき指摘点があり、読んでみてもらいたい。
紙の本
二本松出身の俊英
2021/12/12 02:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本人初のイェール大学教授となった
法制史学者が1900年代後半に、
太平洋の向こう側で物した、同胞に対する
警世の書です。
約半世紀後の国難と破局を予見したかのような
内容にはただただ驚くばかりです。
文語文こそが明治の文人の背骨だったことを
改めて実感しました。