紙の本
翻訳がうまい/迫る臨場感
2005/03/24 16:51
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぶたころちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「運命を分けたザイル」の原作である。届いた日に一気に読んだ。正確には届いた午後から次の日の午前1時までだが。
ベースキャンプから登頂、アクシデント、遭難、脱出まで自分も氷壁を一緒に登っているかの臨場感はやはり創作でなく記録ならではである。翻訳本は訳者により放り出したくなる本もあるがうまい。抵抗無く自然に流れるように展開していく。
映画化されたのを知り原作を読みたいと思って購入。ザイルを切断しなければ二人とも死んでしまう状況での決断。力のかかったザイルはナイフの刃をあてれば簡単に切断できる。山仲間の基本的モラルと、ザイルを切断したからこそ二人とも生存できた現実を複雑に考えさせられる。切断すればパートナーを見捨てる事になる。しかし切断しなければ自分も死ぬ。さて、あなたならどうする。
それだけではない、クレバスでの絶望的な状態でも諦めず奇跡的な帰還。感動の登攀記録だと思う。
氷壁登攀用語がいくつか出てくる。これは経験が無いとわかりにくい。後ろに解説があるが文字だけの解説なので、出来れば写真か絵が添えてあれば登山をやらない人には親切かも知れない。否、それよりせっかく映画になったのだからまったく登山を知らない人は映画を見た後で読めば感動がより深くなるだろう。
紙の本
人間の強さ
2002/02/07 18:26
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投稿者:オルソン - この投稿者のレビュー一覧を見る
登山についての知識は全くなかったので、少し専門用語にとまどったが、すさまじさは感じとれた。
自分は山を登る人の気持ちは分からない。こんなに過酷で、死と隣りあわせで、孤独なことをなぜ好きこのんでするのか。この本を読んでその答えが少しは見つかるかと期待したが、やはり分からなかったというか、ますます理解出来なくなってしまった。しかし、人間の驚異的な強さはこの本から充分感じとることが出来た。
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映画「運命を分けたザイル」のこジョーによる遭難記録の原作。帰国後批判に晒されたサイモンを弁護する意味も込めて、当事者による証言だけで構成されている。
映画では見られなかった登山に前後の話も詳しく語られている
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映画を見て映画館のロビーの売店で即購入。私もハイキング程度は山を歩くが、映画の鑑賞後には山登りはリスクが大きい事を痛感した事を思い出しつつ読んだ。
本書の巻末には山岳用語もついているが、これをもっと充実させてくれないと本文の各場面を理解出来ないことが多い。
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映画「運命を分けたザイル」の原作ノンフィクション。
人間の生命力はものすごいことを感じさせてくれる。
山関連のことがまったくわからない人にはわかりづらいかもしれない。逆に「山の人」にはリアリティのなさに興ざめすることはない保証つき。
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「運命をわけたザイル」という映画の原作
雪と氷にとざされた高さ1000mの絶壁。
ザイルを組んだパートナーの滑落、そして宙吊り。生死は不明。
ザイルを切らないと自分まで滑落してしまう。
あなたならどうする?
標高5800mでの骨折。滑落から地上15mでの宙吊り。その下には底の見えない氷河のクレバス。その時ザイルが切られ落下。が、奇跡的にも生きている。クレバスの中で。
あなたなら何を考える?
希望と絶望。たぶんこれは同義語だ。
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だまされたと思って読んでみてください。
ノンフィクションですが、本当にすごい!山のことを全然知らない私もぐいぐい惹きつけられて、一気に読了。
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数年前、何気なく本屋で手に取り読んでみた。
山登りについては、ぜんぜん知らないし、二人の登山が何を意味するのかわからないまま読んだが、あまりの面白さに引き込まれた。
その後、山登りの本を読むようになったきっかけを作ってくれた本。
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未踏のアンデスに挑むジョーとサイモン。
死闘の末に登頂を果たしたものの、下山に際してジョーが骨折。
ザイルでジョーを吊り降ろすサイモン。
迫り来る嵐と雪崩。
遂に進退窮まりザイルを切断するサイモン。
切断されたザイルと共にクレバスに墜落しながらも、
『頭の中の声』に促されて決死の脱出を図るジョー。
あまりにも詩的な文章表現に魅せられつつも、
ジョーの超人的な生還劇に感動しました。
後日談として、
ザイルを切断したサイモンを、ジョーが擁護し続けているようです。
しかしながら、その後、二人がザイルを結び合うことはない…とのこと。
二人の絆が壊れたわけでは決してない…
再びザイルを結び合うにはあまりにも過酷な経験をしてしまったのだ…と信じます。
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ペルーアンデスの未踏峰登山に挑んだ二人。
無事に初登頂を果たすが・・・・
下山時に一人が骨折。
6,000m級の氷と雪の世界での脱出行が繰り広げられる。
氷に口をあけるクレバス、容赦なく吹き付ける風雪。
これがノンフィクションであることが信じられなかった。
壮絶な生への執着が、ジョーを助けたのだと思う。
低山でも、こんな状況に陥ったら諦めてしまうだろう。
登山をする人にお薦めの一冊です
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チョーお薦め!
極限状態での記録が描かれています。
人生でここまでの修羅場に遭遇するのは1回あるか否か?
予言します。
これを読む人はヒザをさするでしょう。
ちなみに、DVDで復習しました。(登山経験なしの為)
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アンデスの深い山の岩壁登攀に成功した直後、こともあろうに脚を折る(=死を意味する)事故に遭った著者。岩壁からの必死の帰還を試みるが吹雪につかまり、パートナーにザイルを切断され、クレバスの底に滑落して取り残される、、、という、文字通り絶体絶命の難局に追い込まれながらも、超人的な精神力と体力で奇跡の生還を果たすまでを描いた実話。
山岳本を読むと、ちょっとやそっと山好きでも理解できない(おそらく、運動しない人ならもはや変人にしか見えない)情熱が描かれていることが多い。その意味で、正直「マニアック本」読書歴を書き綴るのはどうかと思う、小さなためらい.....を吹き飛ばして遥かに超え、文学に達しているドキュメンタリー。
生死の境をさまよい、夢うつつで発狂寸前の精神状態の中、超自我のような存在に導かれるように一歩一歩、まさしく這って進む臨場感、クレバスを這い上がり、氷河を片足で飛び、湖を越えてゆく道のりの目まいのする長さ、にリアルタイムのパートナー側からの状況や感情描写が差し込まれる。永遠に見捨てられる恐怖とただ1人で闘う点で、通常の遭難ものとは明らかに違う純度、緊迫感に溢れている。
80歳近くになっても度重なる腰部骨折から立ち直り、背筋を伸ばしたいと願う祖母と、苦しい時を乗り越えようとしているあなたに贈ります。
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前半、のろのろ、後半一気に読めました。
最初は登山用語がわからずどんな過酷な山を登っているか
イメージがつかめませんでした。
後半、絶望的な事故の後で以下に
生還するか、極限の人間はそんな時どんなことを
考えながら行動しているのかというところには
引き込まれました。
意思の力で本当にすごいことが
成し遂げられるんだな、と感じました。
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山岳ノンフィクション、と一言でまとめてしまうには、
あまりに壮絶で緊張感に満ちた恐るべき一冊。
ペルーアンデスのシウラ・グランデ峰に挑む著者とパートナー、
前人未踏の氷壁を踏破し、
ベースキャンプに戻ろうとした際に悲劇は始まる。
予想よりはるかに険しい下降ルート、すくむ足腰、
思い出す恐ろしい山岳事故の記憶、
それでもどうにかそれらを抑え込んで歩を進めるが、
そこで著者が滑落、骨折。
まずここれだけでも心臓が縮こまるが、序の口に過ぎない。
この後も、骨折した状態で山を下り、
暗闇の中クレパスの真上で宙吊りになり、
更にそこでパートナーが2人を結んでいたザイルを切り離したため、
底の見えないクレパスの中に投げ出される…。
いや、もう、言葉にしただけで鳥肌がたつ。
ドラマでもない映画でもない小説でもない、
全ては純潔なるノンフィクションである。
クレパスなんて、想像しただけでも吐き気がするくらい未知なる恐怖だ。
そこから脱出し、片足を引きずりながらベースキャンプを目指す著者の姿は、
もう「壮絶」としか言いようがない。
しかも、この作品のもう一つの意味で壮絶なところは、
単なる山岳ノンフィクションであるというだけではなくて、
その状況ゆえに、極限状態に置かれた人間の生々しい姿が描き出されているところだ。
骨折したパートナーと共に氷壁を下るのは自殺行為であって、
その選択を迫られた時に人は何を考えどう動くのか。
また、「ザイルを切断する」という極めて劇的な、
しかしおそらくそこで本人たちも自覚しえない驚くほど大きな責任が伴う決断が、
どのように状況や心理状態に影響を及ぼしたのか。
こういったリアリティはなかなか他の作品では見受けられない。
読み進めるうちにぐん、と引き込まれ、
気がつくとあっという間にその世界観に呑まれている。
これがノンフィクションであるために、
二度と同じ手法では書かれることがないことを思うと、
この作品そのものがひとつの山の「頂点」ではないかと思う。
泣いた。
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アンデスの氷壁で吹雪につかまり骨折、滑落、パートナーによるザイル切断。で、生還したジョーがかっこよすぎる。ラストで思わず落涙。甘っちょろい死ぬの生きるののお涙頂戴など吹っ飛ぶ感動。