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紙の本
明治日本と「西洋近代」再考
2008/06/18 14:53
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けんいち - この投稿者のレビュー一覧を見る
書名の宣教師ニコライとは、あのニコライ堂のニコライである。彼は、ロシア正教を日本に伝えたのだが、その半生は、明治日本における宗教受容、その特異性をを体現するかのような観がある。本書が示すのは、その具体的なありようである。当初の問題設定は、「明治期に日本に入ってきたいくつかの流れのキリスト教は宗教の面から日本を西洋化したのであるが、ニコライの伝えたロシア正教というキリスト教もそうだったのだろうか。」というものである。あらかじめ結論をいってしまえば、厳格なキリスト教、厳粛な「個」にもとづく近代社会と相容れない日本の風土にあって、ニコライと彼が伝えたロシア正教は、その“いい加減さ”において、よく受け入れられ、広まったということになる。
著者に依れば、ニコライは「性質は開明的で勤勉で自立心も強いのに」、プロスタンティズムの近代性に代表される「近代的宗教の人ではなかった」という。それゆえ、次に著者がまとめるようなかたちではあったが、その教えは広まったというのだ。
「日本ハリストス正教会は、西洋化・近代化の波に乗って進む者たちの仲間でありそうでありながら、実は西洋型近代化に抗する面があったのではないか。そして宗教であるキリスト教を伝えたからこそ、ニコライは、ロシアに比べればはるかに世俗化(セキュラライズ)はされていただろうが、しかしなお西洋型近代化に易々と進みきれない宗教的感情の豊かな日本人に共感したのではないか。」
こうした議論が示唆的なのは、ことは、キリスト教だけの問題ではなく、明治日本における「近代西洋」との邂逅の諸相へと、新たな光を当ててくれるからに他ならない。輪郭のくっきりとした「近代西洋」を、われわれは技術に抽象して受け入れると同時に、その核心はていねいに排してきたのではなかったか。それゆえ、米英戦開戦以降、「近代の超克が問題にされもし、今なお、ポストモダンといわれた時代の後にさえ、談合や汚職など、およそ近代的ではないことごとにむしばまれた社会が、営まれ続けているように思われる。
紙の本
ニコライその人と彼の見た明治
2024/02/24 23:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ニコライ堂」で知られるニコライは興味深い日記を残しているが一般の人が通読するのはたいへんであろう。本書はコンパクトな紹介となっており、ニコライその人と彼の見た明治日本がわかるものとなっている。