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記号論への招待 (岩波新書 黄版)
記号論への招待
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目次
- Ⅰ ことば再発見――言語から記号へ――
- 記号とは、符号とは?/「言語創造」/命名という行為/ことばの牢獄/「記号を使う動物」/ことばについての新しい認識/言語は単なる手段か/文化の象徴としての言語――新しい言語観(1)/捉え方の論理/捉え方の方向づけ/美的機能への注目――新しい言語観(2)/「かっぱらっぱかっぱらった」/はま+くり=はまぐり/文化のモデルとしての言語――新しい言語観(3)/時間は語る、空間も話す/振舞い方の背後にある「しきたり」/絵画・映画・物語/ファンタジー・神話・夢/婚姻・都市・建築/意味作用―表現―伝達/意味作用の二つの極/「言語は精神、精神は言語」
- Ⅱ 伝えるコミュニケーションと読みとるコミュニケーション――伝達をめぐって――
- コミュニケーション/伝達の仕組み/「理想的」な伝達/「コード」の役割/「機械的」な伝達と「人間的」な伝達/「統辞論」、「意味論」、「実用論」/「コード」と「コンテクスト」/「解読」と「解釈」/「発信者」中心と「受信者」中心/ナンセンス詩の場合/「占い」の場合/コミュニケーションのもう一つの型/「記号現象」と「推論」/「推論」と「コード」/「ことわざ」の場合/「迷信」の場合/探偵や医者の推論/「仮説的推論」/「仮説的推論」と人間的なコミュニケーション/「意味」の意味
- Ⅲ 創る意味と創られる意味――意味作用をめぐって――
- 1 記号と意味作用
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紙の本
自分のいる世界を外から眺められる
2001/10/28 13:21
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:某亜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
近代を読み解く一つの鍵である記号論。それを入門者のために理解しやすく語る良書である。
一つの例を出そう。私たちは「同じ」という言葉を使う。しかしこの「同じ」はどう規定されるのだろうか? たとえばある人が「あ、私も同じ本持ってる」と言った場合、「同じ」とは「相手の本を持っている」ということではない。その人が持っているのは明らかに別の物質である。人は違う物質を「同じ」と見ることができるのである。
こんなこともある。大人が子どもに向かって「また同じ番組ばっかり見て」と言う場合、それは子どもにとっては「違う」番組であることも大いに考えられる。これは先の例とは違い、両者の「コード」が食い違うために起こる問題だ。大人にとっては両者を「意味」に変えるとき同じコードをたどるのに対し、子どもは違うコードをたどって「意味」に変換させるのである。
これが「大人と子ども」ではなく、「二つの文化」となればそのコードの違いは著しく表れてくる。その研究が文化記号論であり、記号論の中で最も代表的な分野なのだ。それは一言で言えば「世界が言語を生み出すのではなく、言語が世界を規定するのだ」となる。
自分の世界観が一挙に広がっていくのを実感できる。