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トップ第4回ビーケーワン怪談大賞加門七海さんインタビュー

第4回ビーケーワン怪談大賞
最新刊『オワスレモノ』と文庫化された『怪談徒然草』、そしてこれから
加門七海さんインタビュー
人身事故で停車中の通勤電車。最悪の気分で車内を見回す佐藤の目に飛び込んできたのは網棚の上の奇妙な靄(もや)だった……。表題作のほか誰にでも起こりうる恐怖を描いた短編集『オワスレモノ』。装いも新たに文庫化されるや、新たな話題を呼んでいる実話怪談『怪談徒然草』。続いて『響鬼探求(仮)』への参加も決まっている加門さんのこれからの活動について東雅夫が訊いた。
インタビュー=東 雅夫/文=タカザワケンジ
  加門さんの作品では『203号室』『真理』と、このところ怪談ベースの現代ホラーが特に好調ですが、この路線の最新刊『オワスレモノ』も出ましたね。

加門 これは「異形コレクション」に書いたものなどから、現代ものを選んで1冊にまとめようということで、できあがった短編集ですね。

  たしかもう一冊、『203号室』『真理』に続く長編ホラーも予定されていたように記憶するのですが……。

加門 この夏に出る予定だったんですが、えー。まあ、正直な話、落としました(笑)。

  ほほう! もしや『仮面ライダー響鬼』にハマりすぎて落とした、とか?

加門 違う違う(笑)。書いていることが現実に起こってきてしまったので、一時期ほとぼりを冷ましたいと。来年、年明けにまた執筆に取り掛かる予定です。いまの原稿を反故にして、実際に起きたことを含めて書き直そうかなと思ってます。

  それはまた不穏な(笑)。どういうテーマを扱う予定だったのですか?

加門 肝試しものですね。

  これまた怪談の王道をゆくテーマですね。『203号室』は「部屋に憑く霊」、『真理』は「生霊」がテーマでしたが。

加門 ぶっちゃけていうと、あの一連の作品は、ありきたりな、というか、みんなが体験談として多く語っているものをテーマとして扱っているんです。それで、第三弾で、肝試しスポットに行った人たちの不幸な話を書こうと思ったら……、ネタがありきたりだったがために、肝試しに実際行って、とんでもない目にあったやつが身近に現れ(笑)。その上、私がその事件に関わってしまったので、書けなくなってしまったという感じですね。

  …………。いや、よ~く分かります。他にお仕事の御予定は?

加門 もちろん、『響鬼探究(仮)』ですよ(笑)。

  よっしゃー!

加門 今は『響鬼』に登場する地名に関する論考を書いています。『響鬼』ほど私を夢中にさせたものは近年、ほんと珍しい。ぜひ皆さんにも視て欲しいです。29話までという限定付きでね(笑)。

  当然です。最近はレンタルビデオ店にも入っているようですので、是非ためしに一巻目をご覧いただいて、気に入ったならDVDの八巻までを買い揃えましょう!

加門 『響鬼探究(仮)』はほかの方の原稿も楽しみですね。原稿の公募もしていますので、怪談大賞の次はぜひ『響鬼探究(仮)』へ投稿をお願いします!(笑)

  幻妖ブックブログに投稿の募集要項がありますので、ご覧ください。
 今年の新刊では他に『怪談徒然草』の文庫版も出ましたが。

加門 はいはい。実話怪談ですね。文庫化にあたっては語りの文体を変えたりして、かなり手を入れたのですが、おかげさまで好評みたいで嬉しいです。

  収録されている「三角屋敷」についてのお話が、各所で大変な反響のようですが。

加門 みんな三角屋敷にこだわりすぎです!(笑) 三角屋敷はもう、都市伝説として完全に独り歩きしている感じがしますね。実際に関わった人間としては、どうしてここまでいつまでもいつまでも話題になるのか、不思議な感じがしますけど。当事者の霜島ケイさんとも、話題が蒸し返されるたび、不思議だね、みんな好きだね(笑)って話をしているんですが。

  それは単純に、多くの人が「本物」だと感じる何かが、あの話の中に含まれているからだと思いますよ。だからといって、三角屋敷の場所を特定したりしようとするのは、愚の骨頂で野暮の極みだと思いますが(笑)。他に近刊の予定があれば……。

加門 来年になると思うんですが、集英社から霊能者さんへのインタビュー集が出る予定です。一部、「小説すばる」に不定期連載していたものなんですが、単行本にするにあたって、すべて新たに書き下ろす予定です。びっくりするような話がたくさん出てきて面白いですよ。ここまでの体験をしている人がいるのか! って。電波・トンデモ本と言われるのは覚悟のうえですね(笑)。お話を伺っているときにはリアリティがあるんですが、活字に起こすと「え!? マジ??」みたいな話がたくさんでてきます。自分のなかでもサプライズでした。

  それはいろんな意味で勇気ある企画ですね。『幽』でお願いしている対談連載企画ともども、ご自身も「視える」と公言されている加門さんならではのツッコミに期待したいところです。これからのさらなる活躍を愉しみにしております。

加門七海さん 加門七海

東京墨田区生まれ。伝奇小説、フィールドワーク作品を中心に活躍。著書に『大江戸魔方陣』(河出書房新社)、『晴明。』(朝日ソノラマ)、『京都異界紀行』(原書房)、『おしろい蝶々』(角川書店)、『環蛇銭』(講談社)、『常世桜』(マガジンハウス)、『女切り』(ハルキ・ホラー文庫)、『203号室』(光文社文庫)、『真理』(光文社文庫)などがある。最新刊は『オワスレモノ』(光文社文庫)。

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怪談徒然草(角川ホラー文庫) 怪談徒然草(角川ホラー文庫) ¥580 (本体 : ¥552) 24h 買物カゴへ

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