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愉しませてもらいました賞:福澤徹三・選 ~第4回ビーケーワン怪談大賞~
『祖父のカセットテープ』/黒 史郎

七年以上前になくなった祖父の家に行ってきました。
神奈川県の足柄上郡、山北という場所にあります。
誰も住んでませんが、近所の親戚のオバサンがたまに掃除をしに来ているそうです。

そのおばさんが最近、一本のカセットテープが古いラジカセの中に残っていたといって渡してきました。テープの内容は意味がわかりませんが、どうも気味が悪いんです。

「畑―、階段―、みかん山、なんべんも覗いてきました、あーよー、おっかねぇ」
「はまっこ、はずれてんのに、あのババアよーく走るなぁ、おっかねぇ」
「二階で皮細工なんてしなきゃよかったなあ。おっかねぇ、あや、あらららら(その後、お経みたいな言葉)」

祖父は祖母が亡くなって一人暮らしでした。
なにを録音していたのか、なにがそんなに「おっかねぇ」のか、今はもうわかりません。

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