めいめい懐中電灯を持ってぶらぶら歩き出した。
真っ暗な緩い山道を登っていく。懐中電灯の光だけが頼りになる頃、おや、と思った。懐中電灯の光の数が6つだ。
「おい、懐中電灯、誰か余分に持ってきた奴いるか?」と聞いたが、誰も答えてくれない。光は7つ、8つ、どんどん増えていく。そこらじゅうに光の穴があいたようになった。光は飛び交うように動き、一方向を安定して照らすのでないので辺りの様子は全く見えない。そして一緒に歩いていたはずの仲間は誰もいない。
ぞーっとして、全速力で山道を駆け下り、キャンプ場に戻ったら、仲間たちに、お前どこ行ってたの、と聞かれた。散歩のことなど知らない、という。十年以上たった今でもからかわれるが、その時のことを思い出すと、笑うどころではない。