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佳作 ~第4回ビーケーワン怪談大賞~
『光の穴』/夜猿

大学のサークル仲間5人でキャンプに行った時の話。
夜、宴会をやってビールも飲み飽きた頃、誰かが肝試しでもやろうよ、と言った。そんな子供だましお断り、と返したら、それじゃあそこの神社までみんなで散歩でもしよう、と言われた。似たようなもんじゃないかと思ったが、ちょっと体を動かしたい気分だったので賛成することにした。

めいめい懐中電灯を持ってぶらぶら歩き出した。
真っ暗な緩い山道を登っていく。懐中電灯の光だけが頼りになる頃、おや、と思った。懐中電灯の光の数が6つだ。
「おい、懐中電灯、誰か余分に持ってきた奴いるか?」と聞いたが、誰も答えてくれない。光は7つ、8つ、どんどん増えていく。そこらじゅうに光の穴があいたようになった。光は飛び交うように動き、一方向を安定して照らすのでないので辺りの様子は全く見えない。そして一緒に歩いていたはずの仲間は誰もいない。
ぞーっとして、全速力で山道を駆け下り、キャンプ場に戻ったら、仲間たちに、お前どこ行ってたの、と聞かれた。散歩のことなど知らない、という。十年以上たった今でもからかわれるが、その時のことを思い出すと、笑うどころではない。

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