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トップ第3回ビーケーワン怪談大賞加門七海さんインタビュー

第3回ビーケーワン怪談大賞
加門七海さんインタビュー「最新刊 『真理』 を語る」
幼馴染の森本と偶然に再会した亮子は、懐かしい同級生たちとの飲み会のあと、さまざまないやがらせと怪現象に悩まされることに。いやがらせの主は森本の妻、真理のようだが、亮子には彼女から恨まれる理由はまったくなかった……。読み始めたら止まらないノンストップ・ホラーを上梓した加門七海さんにお話をうかがった。
インタビュー=東 雅夫/文=タカザワケンジ
 もともとのタイトルは「死ねばいいのに」だったそうですね。

加門 『死ねばいいのに』(加門七海著)ってどうよ? という意見がたくさん出まして(笑)。読者が買いづらいんじゃないかとかいろんな意見が出て、『真理』に変えました。

 着想はどんなところから?

加門 半分、実話です(笑)。当然、実際の話では人が死んだりしていませんが。『203号室』(光文社文庫)も実話を元にした部分があったんですが、『真理』に関してはオカルト的な意味ではなく、自分がされたこととか、友達がストーカー被害にあった話だとかを入れました。
 ただ、苦労したのは、タイトルにもなっている「真理」という女性の、女性特有の心理をどう描くかでしたね。私は、女性でありながら、どろどろした女性心理に疎いところがありまして、女性週刊誌をやたらと読んで参考にしましたね。自分が被害にあったこともあって、なんでこうなるの? と思ってしまう。

 つまり、真理は加門さんの投影ではない(笑)。

加門 そうですね(笑)。

 読者からの反響はどうですか?

加門 女性読者からの反応が良いですね。男の人は「本当にこんなことがあるのか?」と思われるみたいですが、女性が読むと「あるある」って(笑)。主人公と真理のどちらに共感して「ある」と言っているのかがわからないのが不気味なんですけど(笑)。

 同じ光文社文庫から昨年出た『203号室』は売れ行き好調だそうですね。

加門 おかげさまで。私は伝奇小説をずっと書いてきて現代ものはあまり書いていなかったんですよね。実話怪談も時々書いていましたけど、そこにも入らないような、他愛ないけれど集まると怖いというような意味で書いたのが『203号室』でした。
 『203号室』で書いたことは、たとえば床が温かいとかペットボトルが勝手に転がるとか、ささいな怪現象を書いたので、実体験のある人以外はそんなに怖がらないんじゃないかなあと思っていたんですよ。でも、実際に家に帰ってきて床が温いと本当に怖いんですけどね(笑)。体験のある人にとっては怖いけれど、そうでない人にとってはどうなんだろうって、半信半疑で出してみたら、あにはからんや、反響が非常にありました。
 ちなみに、床が温かかったというのは実話ですが、猫がそこでしばらく寝ていたというオチがつきます(笑)。

 加門さんはプロットは細かく立てるほうなんですか?

加門 『203号室』と『真理』についてはそうでもないですね。伝奇小説では調べることが山盛りで、それこそ、この日の晩の月の満ち欠けがどうなっているかまで調べますが。『203号室』と『真理』については、自分の中ではラフに書いたほうです。ただ、『真理』は一気に書くというわけにはいかず、女性心理をどう書くかに悩みながらでしたけど。

加門 次回作の予定は決まっていますか?

 長編を出すのは来年になりそうですね。今年はCSのスカイパーフェクTVの京都チャンネルで、鬼をテーマにした番組を6時間作ることになりまして、それに時間を取られています。6時間出ずっぱりの番組です。今年後半は「鬼」が来るということで……。東雅夫さん編集の「妖怪文藝」シリーズの第2巻『響き交わす鬼』に短編を1編、霜島ケイさんとの対談が収録されます。

加門七海さん 加門七海

東京墨田区生まれ。伝奇小説、フィールドワーク作品を中心に活躍。著書に『大江戸魔方陣』(河出書房新社)、『晴明。』(朝日ソノラマ)、『京都異界紀行』(原書房)、『おしろい蝶々』(角川書店)、『環蛇銭』(講談社)、『常世桜』(マガジンハウス)、『女切り』(ハルキ・ホラー文庫)、『203号室』(光文社文庫)などがある。最新刊は『真理』(光文社文庫)。

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