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第7回ビーケーワン怪談大賞
福澤徹三さんインタビュー

――『怪談熱』『怖い話』は、ほぼ同時に刊行されましたね。『怪談熱』は9つの怪談ホラー短篇を収録していますが、反響はいかがでしたか?

福澤 タイトルで怪談本と思われちゃったみたいです。いや、怪談本と思われていたら、もっと売れたのかな(笑)。これまでとは違う作品をチョイスしたつもりです。

――たしかにいろいろなタイプの話が入っていましたね。海外を舞台にした異文化ホラーまであって、興趣深く読みました。

福澤 超自然的な内容は抑え気味にしたんですが、全体的に厭な話が多くなりました。読後感の悪さには自信があります(笑)。

――『怖い話』はエッセイ集ですが、私の周りでもすごく評判が好いんですよ。小説家、怪談実話作家に加えて、達意のエッセイストという、福澤徹三の新たな魅力が全開している本ですね!

福澤 WEBで連載していたものをまとめた本なんですが、「怖い」という縛りがあるせいで、毎回のテーマを考えるのが大変でした。しかも枚数が決まっていなかったので、多いときには20枚くらい書いたりして、友人から「長すぎる」とクレームがきました(笑)。

――怖い食べ物をはじめとして、毎回、身近な日常に潜んでいる怖いモノを取り上げて。

福澤 本当は自分の話だけでまとめたかったんです。でも、それなりに情報を入れないと恰好がつかないんで、いくぶん蘊蓄本みたいな感じになったのが恥ずかしいんですが……。

――いえいえ、そこもまた、本書の魅力だろうと思いますよ。情報の切り取り方とアウトプットの仕方が、とてもお上手でした。広告とかコピーライティングのお仕事をされていた頃のスキルが、活かされているのかなと思ったりして。

福澤 エッセイ集なのに最後はなぜか実話怪談という、妙な終わり方になってますけど(笑)。

――先日、『怪談実話系2』に御寄稿いただいた「別れのきざし」も、ちょっと似たようなテイストで、異彩を放っていましたね。

福澤 もともとエッセイ風の小説が好きなもんで、エッセイを書いても小説風になるし、その逆も多いですね。

――怪談実話の蒐集に疲れたら(笑)、気分転換に、こういうエッセイ風怪談もどんどん手がけていただきたいと思います。
 さて、最新刊は〈幽ブックス〉から出た『黒い百物語 叫び』ですね。「幽」に創刊号から連載していただいている「続・怪を訊く日々」が、ついに単行本にまとまったわけですが、タイトルの由来は?

福澤 担当の編集さんと相談して決めました。なぜ「黒い」のかは謎ですけど。

――それはやっぱり福澤さんのパブリック・イメージ(笑)と……あとは『黒本』があるからじゃないですか?

福澤 「叫び」っていうのがよくわからなくて、編集さんに聞いたら「平山(夢明)さんの『コメカミ草紙』は『串刺し』ですよ」って言われて、「じゃあ、いいや」と(笑)。

――副題がついてるということは、続刊も期待できそうですね。「叫び」の次で「呻き」とか「唸り」とか(笑)。

福澤 あっても1冊にまとまるのは5年後ですからね。それまで生きているかどうか(笑)。

――御自愛ください。でも、考えてみると、『コメカミ』ともども、雑誌に長期連載された実話をまとめた単行本というのは、珍しいんですよね。たいていは書き下ろしでしょう。

福澤 ペースがぜんぜん違いますね。いつもバタバタのスケジュールでやってますから。5年という時間をかけて本を出すのははじめてです。

――時間がかかっているだけに、内容も粒ぞろいです。

福澤 「幽」には、そのときの持ちネタで、いちばんいい話を書こうと心がけています(笑)。

――ううう、ありがとうございます(感涙)。是非これからもよろしくお願いいたします!

怪談熱 怖い話 黒い百物語

インタビュー=東雅夫/文=タカザワケンジ
福澤徹三
1962年福岡県生まれ。デザイナー、コピーライター、専門学校講師を経て作家活動に。主な著書に『怪を訊く日々』(幻冬舎文庫)、『廃屋の幽霊』(双葉文庫)、『真夜中の金魚』(集英社)、『再生ボタン』(幻冬舎文庫)、『壊れるもの』(幻冬舎文庫)、『死小説』(幻冬舎文庫)、『亡者の家』(光文社文庫)、『ピースサイン』(双葉社)、『黒本』(新潮社文庫)、『夏の改札口』(徳間書店)などがある。2008年、『すじぼり』(角川書店)で第10回大藪春彦賞を受賞。ビーケーワン怪談大賞では、第1回から選考委員をお願いしている。
第7回怪談大賞選考会議トップ 加門七海インタビュー

怪談熱
怪談熱
¥1,680

怖い話
怖い話
¥1,365

黒い百物語
黒い百物語
¥1,470

嗤う男
嗤う男
双葉文庫

¥660
すじぼり  角川文庫
すじぼり
角川文庫

¥820
黒本 新潮文庫 平成怪談実録
黒本
新潮文庫

¥380

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