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| 加門七海インタビュー |
昨年は、怪談メタフィクションの傑作『祝山』、霊能者へのインタビュー集『うわさの人物』が話題となった加門さん。この夏は霊感を持つ著名人との対談集『心霊づきあい』が刊行される。
―― 今夏の加門さんの新刊といえば、『心霊づきあい』ですね。『幽』で創刊号から連載された対談に、新たに4つの対談を加えた一冊です。カバーデザインがまた、意表を突いていますね。
加門 LOHAS風?(笑)
―― これは本の内容とも、ちゃんと関連しているわけですよね。
加門 『心霊づきあい』は日常生活のなかでのスーパーナチュラルなこととのつきあい方をテーマにしているので、スーパーナチュラルな部分だけをクローズアップしないような、日常感のある装幀にしたかったんです。
―― 昨年、話題になった『うわさの人物』と対になるような一冊ですが。
加門 『うわさの人物』とほぼ同時期に取材を始めたんですよ。『うわさの人物』はプロの霊能者、『心霊づきあい』は霊が見えるんだけど、ほかのお仕事をしている方。両者の対比が見事に出ましたね。プロじゃない方たちがいかに楽しく心霊現象とつきあっているか。それが最終的なコンセプトになっちゃった。
―― 「なっちゃった」んですか?
加門 手探り状態で始めたので、結果的に、です。インタビューものは、相手次第ですからね。私は私で経験があるので、今回は自分とほかの人との差異を知りたいという気持ちもありました。取材を進めていく過程で安心したのは、自分の感じ方がほかの方と比べても突出したものではないということ。あと、心霊現象自体、そんなに特別なものではない。もともとなんらかのかたちで、人間のそばにあったものなんだということをあらためて感じましたね。
―― 対談相手の人選は、どのようにして?
加門 行き当たりばったりというか(笑)、出てくださる方を常に探して。
―― ご本人は出てもいいと思っていても、芸能人の場合、事務所サイドがダメだと言ったりしますからね……。
加門 ありましたね。それとは逆に、ダメもとでお願いした方が喜んで出てくださったこともありました。でも、お話をうかがった方の中には私が太刀打ちできない方もいましたね。
―― そうした駆け引きも、読みどころですね。
加門 まだまだです、私は(笑)。
―― こういう本が出ると、決まって「霊なんかいるはずがないのに」みたいな批判をする輩がいると思うんですが、加門さんはそういう方たちに対して、どう思われますか?
加門 その方たちの世界なので、それはそれでいいと思います。ただ、肯定派や霊感のある人が見ている世界のほうが人口密度が高いわけだし、面白いんじゃないのかな、と。
―― 見える人のほうが見えない人より多いってことですか?
加門 いえ、そうじゃなくて、新宿を歩いている人間の数と霊の数を足したら人口密度は上がるわけだから、景色が違う……。あ、そんなこと言うとおかしいのか(笑)。
―― いまのは爆弾発言ですねー。
加門 カットしてください(笑)。こんなこと言うと怒られるかもしれないけど、見える人のほうが見えない人よりも出会いもあるし、別れもあるし、面白い経験ができる確率が上がると思うんですよ。それに、対談の中の話題としても出てくるんですが、国や文化によっては、そういうものがなくては成立しない場合もある。肯定否定を超え、あるものとして、いかに仲良くやっていくかが問題になる国とかね。そういういろいろな視点から、心霊づきあいについて考えるきっかけになる本として受けとめてくれれば嬉しいです。
―― 昨年の話になりますが、『祝山』は素晴らしかったですな。書き上げるまでに、いろいろ御苦労があったとか?
加門 いくつかの体験をミックスして、フィクションの人物を立てて、という書き方だったんですが、書いているうちにだんだんこっちがしんどくなってきちゃって。事実をネタにするのもほどほどにしないとね……という。でも、読んでくださった方から怖かったと感想をいただくことが多いのは嬉しい反面、意外でしたね。こういう小説でも恐怖って伝えられるんだなって。私の一連の作品のなかではもっとも怪異現象が少ないし、地味なので。
―― これからの刊行予定を教えてください。
加門 年内は集英社のWEBサイトで連載している怪談小説(「怪談宵月夜」)を本にする予定です。自分の体験を元にした怪談シリーズです。『怪談徒然草』のときは、怪談は書くより語ったほうが怖いという持論から語り下ろしにしたんですが、今回のWEB連載は自分の体験談をあえて書いてみるというのがコンセプトです。それがどう受け止められるかは読者次第ですが、ありがたいことにアクセス数がかなりいいそうで、嬉しいです。みなさん、怪談がお好きなんだなあ、と(笑)。
ほかに光文社文庫から『オワスレモノ』、『美しい家』に続く短篇集が出ます。それから、朝日ソノラマから久々に陰陽師ものを出す予定です。
――楽しみです。ますますのご活躍を期待しています。
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| インタビュー=東雅夫/文=タカザワケンジ |
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