トップ > 第6回ビーケーワン怪談大賞 選考会議レポート
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| 選考結果発表(7/10頁) | ||||||||
★怪談大賞は誰の手に?
東 さて、そろそろ入選作を絞り込んでいきますが、重複している作品のなかから、それぞれのベスト3を選んでみましょうか。まず、私から。金魚屋さんの『八百年』 、白縫いさやさんの『傘の墓場』 、飛雄さんの『朝の予兆』 。
加門 私は白縫いさやさんの『傘の墓場』、北詰 渚さんの『カチンコチン』、飛雄さんの『朝の予兆』 。 福澤 白縫いさやさんの『傘の墓場』、仲町六絵さんの『鳥の家』、飛雄さんの『朝の予兆』 です。 東 3人が共通して推しているのは、『傘の墓場』か『朝の予兆』ということになりますが。 加門 『傘の墓場』もいいんですが、怪談という観点から見ると『朝の予兆』のほうが相応しい気がしますね。 福澤 正統的な怪談という意味では大賞にふさわしいかもしれませんね。平凡なオチでも、文章とディテールに磨きをかけることで、ここまで怖くできるというお手本だと思います。 東 私も異存ありません。では、飛雄さんの『朝の予兆』を、今年度の大賞に決定したいと思います。 (拍手) 東 優秀賞の1編は、白縫いさやさんの『傘の墓場』でよいとして、もう1編をどうするか。見事に割れましたね。『八百年』、『カチンコチン』、『鳥の家』……。 加門 仲町さんは3作品それぞれを3人別々に推したんですよね。 東 金魚屋さんの場合は、お二人が先に『八百年』を推していて、私もさっきのベスト3に入れました。 加門 とすると『八百年』か『鳥の家』ですね。仲町さんの『鳥の家』でもいいんですけど、最初に選んだときに3人が割れたっていうのが引っかかるかな。 福澤 『八百年』もすばらしい作品ですが、怖いという点で、より怪談らしさがあるのは『鳥の家』でしょうか。 加門 うん。たしかに『鳥の家』のほうが怪談らしさはありますね。いいと思います。 東 私も仲町さんの3作はどれも優れた作品だと思いますので異存ありません。それでは「怪談性」を重視という今年の方向性に従って、『鳥の家』を優秀賞に決定します。残る重複作品は5作品ですが、単独推薦作の中で、これらと肩を並べる作品を挙げることは……どうでしょうか? 加門 今回は本当に実力伯仲なので、いちいち挙げ始めたらキリがないですよね。 福澤 そうですね。 東 たしかに。どこかで線引きするとなると、やはり重複作品ということにするしかないでしょうね。前回の佳作は10作品で、今回は半減ということになりますが……。 辻 佳作はだいたい5作から10作の間で、という内規なので、問題ないと思いますよ。 東 分かりました。それでは今年の佳作は、『トロイの人形』 (ヒモロギヒロシさん)、『パッチン留め』 (綾倉エリさん)、『百合』(我妻俊樹さん)、『八百年』(金魚屋さん)、『カチンコチン』(北詰渚さん)の5編に決定します。 ★恒例の「愉しませてもらいました賞」 東 恒例の「愉しませてもらいました賞」は、いかがでしょうか。これは各選考委員の個人的な趣味嗜好に即して(笑)、独断で選んでいただくわけですが。 福澤 僕はもう決まっているんです。太田工兵さんの『告訴状』です。『カルテ』でもいいんですが。こういう形式の文章って、小説を書くときにも必要な場合があるんですが、書くのは本当に面倒なんですよ。それを三つのバリエーションで展開するのは相当に手間だし、リアルに感じさせるにはかなりの筆力も必要です。どれも細部に至るまで完成度が高いと思います。もちろん何回も使える手法ではないですが。 東 迷うなあ……金子みづはさんの作品か、皆川舞子さんの作品かで迷ったんですが、今年は怪談性を重視するという観点から、皆川さんの『布団』 にします。この方は『幽』怪談文学賞で去年も今年も最終選考に残っている、なかなかの実力派ですね。今回投稿してくださった3作品も、どれも一読ニヤリとさせる勘所を押さえた好篇でした。特に『布団』は、急な雨で洗濯物を取り込むという日常そのものの点景が、あれよという間に無気味な様相へと変質する過程を緻密に描きだして、とても印象に残りました。 加門 私は蕗谷塔子さんの『タマコ』 。ラストを読んで、仰天しました(笑)。実際、あったら怖いだろうなと思いましたし。木の上にハスキー犬が。しかもニャーと鳴くのか!(笑)。最初は「ミケと同じ水色」の目ってことで、猫だと思っていたら、最後で意表を突かれる。映像ではない、文章だからこそ可能な話ですよね。結局、動物ものですが「愉しませてもらいました賞」なので、趣味に走らせてもらいます(笑)。 東 これですべての賞が決定しました。昨年よりさらに投稿数が増えて、お忙しい中、全作品をお読みいただいたお二人には感謝の言葉もありません。来年もおそらく、今年並みか、それ以上の投稿作品数になりそうですが、またぜひ、よろしくお願いします。また、これをお読みのビーケーワン・ユーザーの皆さんも、来年もぜひ怪談大賞をよろしくお願いいたします。 |
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