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| 加門七海インタビュー |
『うわさの人物』 『美しい家』 『響鬼探究』
幻想的に怪異を描く小説集『美しい家』を上梓する一方、霊能者へのインタビューや、東雅夫と共編で『響鬼探究』をまとめるなど活躍の場は多岐に渡っている。加門さんの近況をどうぞ。
―― 最近、刊行された霊能者および霊能を有する人々へのインタビュー集『うわさの人物』が話題を呼んでいますね。
加門 おかげさまで思ったより反響があって嬉しいですね。予想していたよりもオカルトや心霊に興味のない方が、この人たちの生き様に興味を持って読んでくれているところが、意外でもあり、嬉しくもありました。
―― 『うわさの人物』の冒頭には、オカルトや心霊に対する加門さんの考え方が、かなり率直に表明されていますね。
加門 この本の企画自体はもう4年前くらいからで、その頃は今よりももっと、否定派は頭ごなしに否定するという状況でした。そこで、こういう本を作ることで、霊能者はそんなに怪しい人たちではないということを打ち出したかったんですよ。
でも、その4年の間にスピリチュアル・ブームがあったりして、ここに書いたようなことに対しても、意外とすんなり「そうだよね」と言ってもらえるようになったんだな、と思いましたね。
―― 今年の春には短編小説集『美しい家』が出ましたね。
加門 この前の短編集が『オワスレモノ』で、いわゆる現代ホラー。『美しい家』は現代を舞台にした幻想味のあるものというくくりでまとめた短編集です。
『美しい家』は「異形コレクション」に発表した作品の中から選んだものが中心なんですが、もうひとつ、時代をさかのぼった幻想談も「異形コレクション」で発表しているので、そのうち、それはそれで一冊にまとまるんじゃないのかな。
表題作は自分でも気に入っていますね。ノスタルジックな世界に浸って書けたと思います。
── で。『響鬼探究』については?(笑)
加門 私がどうこう、というよりもご寄稿された方々の成果だと思います。たまたまこういう企画を東さんと立ち上げて、関われたということの幸せは感じていますが。
自分が思っていたよりもはるかに広く、いろんな視点から解釈ができる作品だとわかったのは嬉しいことでしたね。本当に切り口が多彩な、深みのあるドラマだったんだな、ということをすべての原稿に目を通してあらためて感じました。また、一般公募の原稿から感じる情熱にも驚かされました。私の中でも大切な一冊になったと思います。
―― 最近は、どんな作品に取り組まれているんですか?
加門 光文社から出る長編をやっと書き終わりました。数年ぶりに締め切りとのデッドヒートになってしまい、脳内カレンダーがすっかりズレてしまいました。
―― それでこの選考会に大遅刻した、と(笑)。加門さんにしては珍しいことですよね。何か怪異現象に見舞われたとか?
加門 違う違う。選考会、明日だと思い込んでて……。ほかの仕事との兼ね合いで、スケジュールが押せ押せになってパニクったんです。最後は一日に50枚書かないと終わらない、みたいな。私にとっては、「ありえねー」って感じでした(笑)。
―― タイトルは?
加門 『祝山(いわいやま)』です。
―― 舞台は現代なんですか?
加門 そうです。メタフィクションみたいな感じですね。私のような作家が出てきて、冒頭、「幽」のような怪談雑誌が出てきます。
―― …………。「幽」の編集長をモデルにした人物は、まーさーかー出てこないでしょうねえ?
加門 出そうと思ったけど、ギャグにしかならないからやめました(笑)。
―― ほっとけ(怒)。『203号室』か『真理』とはまた違う路線ですか?
加門 違いますね。怪異現象がほとんど起きない。怪異現象が起きなくて、どこまで怪談が書けるのかという小説です。
―― それは楽しみですね。ますますのご活躍をお祈りしております。
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| インタビュー=東雅夫/文=タカザワケンジ |
加門七海
東京墨田区生まれ。伝奇小説、フィールドワーク作品を中心に活躍。上記インタビューに登場した以外の著書に『大江戸魔方陣』(河出書房新社)、『晴明。』(朝日ソノラマ)、『京都異界紀行』(原書房)、『おしろい蝶々』(角川書店)、『環蛇銭』(講談社)、『常世桜』(マガジンハウス)、『女切り』(ハルキ・ホラー文庫)、『203号室』(光文社文庫)、『真理』(光文社文庫)『オワスレモノ』(光文社文庫)などがある。なお、第二回ビーケーワン怪談大賞から選考委員を務めていただいています。
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